
国産薪ストーブ開発当時から現在に至るまで、私の失敗話を「失敗は成功の母」をコンセプトに綴っているシリーズです。「え!そんな失敗したの」まあ、聞いてください。私の個人的見解とともに綴っていますこと、予めご了承ください。
薪ストーブは、様々な文献で「薪ストーブの水消火は危険・厳禁」という記載が数多くあり、どれぐらい危険なのかを確認する目的で、「水消火したらどうなるか」の実験計画(方法・手順)を元に実験を行うことにしました。
薪ストーブは着火後ゆっくり燃えて、徐々に荒々しく燃えていきます。ストーブ周囲も整理整頓し、じょうろに水を入れて水消火スタンバイも完了し、あとは3時間経過後の薪ストーブ温度が安定したころを待つだけです。
薪ストーブの燃焼室はパチパチと音を奏でながら、ゆっくりゆったりした時間が私たちを薪の炎が包み込んでくれて、実験とは言うものの「あ~、至福の時間やなあ」と思いながら、ついにその時がきました。追加薪を投入し、燃え広がったことを確認し、扉ガラスが割れることを想定して、扉を大きく開けてじょうろで一気に水消火!次の瞬間、予想・想定をはるかに超えることが起こりました。
赤々と燃えている大きな薪が、ボンっという大きな音と共に燃焼室内で飛び跳ね、薪ストーブ廻りはあっという間に水蒸気と灰でしばらく真っ白。煙突からは大量の水蒸気がモクモク、熾火は薪ストーブの前面の床に飛び散ってコロコロと燃えている状態。予め実験床は濡らしていたので、熾火はすぐに消えましたが、大変危険な状態でした。いやはや、大失敗実験でした。映像は残念ながら残っていませんが、恐怖を感じる実験でした。
鎮火後、ストーブ内を見ると、耐火レンガの一部が割れて、火格子板も5mmほどひずんでおり、少なからず薪ストーブもダメージを受けており、ほぼ想定どおりでしたが、それ以外は想定外でした。
なぜ、恐怖な実験になってしまったのでしょう。そこで、この失敗原因を考えてみました。
原因
この原因は「想定が甘かった」に尽きます。想定は、薪ストーブのダメージのみに注目し、薪に水をかけたときの状態は水蒸気発生のみで、薪が飛び跳ねたり、水蒸気以外に灰や熾火までも飛び散ることは考えていませんでした。
対策
実験前のリスク管理を強化するようにしました。薪ストーブ本体のみを考えるのではなく、薪、煙突、床等の周りに対してもリスク管理するようにしました。
そして、一番学んだことは
「薪ストーブの水消火は危険・厳禁」です。
薪ストーブは、電気ストーブやエアコン等のようにスイッチひとつで消火することはできません。正しく設置された薪ストーブは、火が燃え続けても危険はないので、薪追加をやめて空気取入レバーをMINにすれば、安全に消火できます。それでは、少しでも早く消火するにはどうすればよいでしょうか。
燃焼室内の熾火を細かく砕く
消し壷に薪を入れる(取出しには落とさないように十分注意)
薪ストーブは、自然共生の道具として自然を利用し、私たちはその恩恵を受けています。自然を利用するならば、多少の不便はつきものです。
何でも手に入り、何でも便利になった世の中ですが、一度自然共生についても考えていただけましたら幸いです。
他にも失敗談がありますので、順次紹介しますね。
美湖エンジニアリング
代表 神林 寿英


