「こんなときどうする」シリーズでは、美湖エンジニアリングが国産薪ストーブの開発を通じて経験してきた失敗や改良・改善の積み重ねを元に、安全に薪ストーブを楽しむためのポイントを紹介しています。

薪ストーブは、正しく使うことで長く快適に楽しめる暖房器具です。しかし、使い方を誤ると、薪ストーブ本体や煙突の損傷、思わぬ事故につながることがあります。

【失敗談】

薪ストーブに薪を追加したとき、普段どおり手ごろな大きさの薪を入れてしばらくすると「あれ、ちょっと火が暗くなったかな」と思いつつも、約10分後にもう一度見てみるとガラスの上半分が黒くなり、薪ストーブの燃焼室内の炎でほとんど見えなくなってしまいました。天板温度も異常なく200℃ぐらいでちょうどよかったのですが、扉を開けてガラスの内側を見たらびっくり!煤がガラス一面を覆っており、特に上面は濃い煤がみっちりと煤けていました。火が暗く見えたのはガラスが汚れていたためでした。

【原因と対策】

原因1;ガラス内面が汚れていた

ガラスには、見た目ではわからない細かい煤がついており汚れています。付着した煤を起点に、燃焼中に発生する煤がガラス面を急に付着して汚したと考えられます。

対策1;

ガラスは小まめにきれいにしてください。着火前の日課として、ガラス内面を乾いた布で乾拭きしてください。薪ストーブ用ガラスクリーナによるクリーニングは、薪ストーブの使用回数7~10回毎をお奨めします。

原因2;エアカーテンが機能していなかった

エアカーテンは、新鮮な空気をガラス表面に流れることによってガラスに煤を付着しにくくする機能がありますが、その機能が働いていなかった

対策2;

ガラスクリーニングを小まめにしてもガラスが黒くなるのが早い場合、薪ストーブ取次店と相談しながらエアカーテンを吹き出すノズル等を確認(空気噴出し穴、スキマが開いているか、セット位置が正しいか等)してください。

原因3;未乾燥薪を入れてしまった

未乾燥薪は、薪に含む水分が燃焼温度を下げ、不完全燃焼を引き起こして煤を発生させてしまいます。不完全燃焼時に発生する煤がガラスに付着したと考えられます。

対策3;

よくやってしまう失敗です。これは乾燥薪と未乾燥薪をしっかり区別管理し、未乾燥薪を投入しないことに努めましょう。

原因4;塗料か接着剤等を含んだ廃材等を入れてしまった

塗料や接着剤は化学物質なので、その燃焼は多量の煤を含んだ黒煙が発生し、ガラス面にあたった多量の煤が付着したものと考えられます。

対策4;

たまにやってしまう失敗です。廃材や端材を薪として使用することは問題ありませんが、入れる前に「塗料や接着剤が付着していないか」しっかり確認して投入するようにしてください。

 

Q1;ガラス面が部分的にこげ茶色の飴色になっています。これはどうすればいい?

A1;

これは「がんこな汚れ」です。薪ストーブ用ガラスクリーナを使用して汚れ部分を拭取ってください。こうならないように小まめにガラス拭きをお奨めします。ガラスをきれいに保つポイントは、

着火前に毎回ガラス内面を乾いた布で乾拭き

薪ストーブ使用回数の7~10回毎に着火前に薪ストーブ用ガラスクリーナによる拭取り

ご参考ください。特に未乾燥薪、ベニヤ板や塗料付着廃材、壁紙付廃材等は使用しないように十分気をつけてくださいね。

薪ストーブのガラス面が汚れてしまうと、炎を見ながら「ゆったりまったりした薪ストーブライフ」の楽しみも半減してしまいます。ガラスが急に黒くなるということは、煙突から煙も出ていますので、ご近所トラブル・迷惑につながりかねません。しっかり確認してから薪をご使用くださいね。

皆さまのお役に立てれば幸いです。これからも順次紹介いたします。

美湖エンジニアリング

代表 神林寿英

国産薪ストーブの開発・製造に携わり、安全性について数多くの試験・改善を重ねてきました。開発時の経験や失敗から得た知見を元に、薪ストーブをより安全に長く楽しむための情報を発信しています。

美湖エンジニアリングは、国産薪ストーブの開発・製造を行なっています。薪ストーブ選びや設置についてもご相談ください。

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