
「こんなときどうする」シリーズでは、美湖エンジニアリングが国産薪ストーブの開発を通じて経験してきた失敗や改良・改善の積み重ねを元に、安全に薪ストーブを楽しむためのポイントを紹介します。
薪ストーブは、正しく使うことで長く快適に楽しめる暖房器具です。しかし、使い方や燃料を誤ると、薪ストーブ本体や煙突の損傷、思わぬ事故につながることがあります。
【失敗談】煙と臭いが大発生
いつものように薪を組み、扉を閉めて火が大きくなるのを待っていましたが、あまり大きくならず、「ん?空気が入りにくいのかな」思いつつ薪を少し移動させてみて、炎は少し大きくなりつつも白い煙が徐々に発生し、やがて煙は燃焼室に充満し、煙突からは煙がモクモクと大発生してしまいました。
【原因】薪が湿っていた
薪の含水率計で計測すると25%以上、おまけに焚き付け用に細い生木も入れていました。別の日に同様の煙モクモクが発生した時は、雨などに濡れた薪・生木を燃やすと煙が大発生していました。未乾燥薪や生木は、特に煙と臭いが発生しますので十分注意しましょう。ご近所様にも迷惑をかけてしまい、近隣トラブルの原因にもなりかねません。
【対策】木を薪にしてから1年以上乾燥した薪を使用!
木を薪にしてから1年以上乾燥した薪を使用してください。雨等で濡れた薪は、2~3日乾燥させてから使用しましょう。含水率20%以下がお奨めします。薪棚に積んである薪の入手時期に応じて「どれぐらい乾燥した薪でどこから順番に使っていくか」をしっかり把握しておくことが大切です。しっかり管理しましょう。
薪の中でも、未乾燥薪や生木は薪ストーブや煙突の損傷を引き起こしてしまうことと、煙と臭いも発生させてしまい、ご近所トラブル・迷惑につながりかねません。生木は燃やさず、薪は必ず乾燥薪を使用するようにしましょう。
Q1;なぜ木を薪にして燃やすの?
A1;
木を薪にする理由は二つあります。
丸太のままでは薪ストーブに入らないから
木は薪にして乾燥したほうが燃えやすく燃焼効率が上がるから
Q2;なぜ、未乾燥薪は煙が発生するの
A2;
木は内部に水分を多く含んでおり、その水分は樹皮からはほとんど蒸発しません。そのため木を割って薪にすることで木の内部を空気に触れさせて、内部の水分を蒸発させやすくしています。水分を多く含んだ薪を燃焼は、薪の中の水分を蒸発させるために燃焼熱エネルギーを使ってしまい、燃焼温度が上がりにくく、薪から発生する可燃性ガスは不完全燃焼を引き起こし、煙と煤が発生してしまいます。このことで、薪ストーブ本体や煙突の煤の堆積や詰りを助長させてしまい、煙道火災の原因や、薪ストーブ屋煙突の寿命を縮めてしまう原因にもなります。
国産薪ストーブ開発当時から現在に至るまで、私の失敗や経験を元に、「こんなときどうする」を綴っていくシリーズです。「ありゃ!どうしよう」をまとめてみました。
皆さまのお役に立てれば幸いです。これからも順次紹介いたします。
美湖エンジニアリング
代表 神林寿英
国産薪ストーブの開発・製造に携わり、燃焼性能や安全性について数多くの試験・改善を重ねてきました。開発時の経験や失敗から得た知見を元に、薪ストーブをより安全に長く楽しむための情報を発信しています。
美湖エンジニアリングは、国産薪ストーブの開発・製造を行なっています。薪ストーブ選びや設置についてもご相談ください。

