
平素より、美湖エンジニアリングのホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
このシリーズは、弊社薪ストーブの開発時から現在に至るまでの数々の失敗話を「失敗は成功の母」をコンセプトに綴っていこうと考えています。
また、私の個人的見解とともに綴っていますこと、予めご了承くださいませ。
今回は、薪を入れ過ぎてしまって燃え過ぎ失敗です。これは怖いですよ。
私は、焚き始め以外の追加薪を入れる場合、場面に応じて薪の入れ方を変えています。
ストーブによって取扱いが異なりますので、様々でしょうが、弊社薪ストーブ(輻射式)を使用する場合、以下のような目安で薪を追加しています。
- 通常時(天板温度150℃前後);広葉樹中薪を2~3本
- ストーブ周辺を早く暖めたい時(同温度170℃前後);広葉樹中薪2本+針葉樹細薪1本
- 天板を200℃ぐらいにしたい時;広葉樹細薪1本+針葉樹中薪2本
- 一気にストーブを暖めたい時;針葉樹中薪2本+針葉樹細薪1本
※ 40~45cm長さの薪を使用し、細薪は直径約5cm未満、中薪は直径5~8cm
と、いった具合に天板温度を目安に樹種を混ぜて薪追加量を変えており、薪を入れるタイミングも場面に応じて弱火で入れたり、熾火になってから入れたり様々です。

このように、薪追加量の目安を作るために薪の樹種、太さと本数を変えていろいろ試していました。もちろん、使い方の試行錯誤中では、過剰に入れて天板温度が300℃を超えたりすることもありました。弊社ストーブ開発中の過酷試験でも、天板温度・排ガス温度共に450℃以上を記録しました。それらは、「こうなるだろうな」と予想して試しているので、事前に準備して作業していたので安全でしたが、全く予期せず起こると怖かったですね。
ある日、妻に「熾火になったら、中ぐらいの太さの薪を3本入れてくださいな」とだけ告げて(その時に樹種を告げず)その場を離れていた時に起こりました。
薪ストーブのそばには、針葉樹ストックバケツ・広葉樹ストックバケツをおいてあります。私は、「広葉樹3本」と告げることが抜けていたのです。熾火の状態になったので、妻は「とにかく中ぐらいの太さの薪3本入れよう」と考えていたと思います。
しかし、たまたま広葉樹が少し大きく入りにくかったので、手ごろな大きさ(少し太めだったかもしれません)の針葉樹を3本一気に入れてしまったのです。これは明らかに入れ過ぎで、しかもよく乾燥した針葉樹薪だったのでしょう。一気に3本に燃え移り、慌てて扉を閉め、様子をうかがっていましたが、炎はみるみる大きくなり、薪ストーブの燃焼室内は炎で真っ赤に勢いよく燃え上がり、天板温度も約10分で軽く300℃越え、ガラスに炎が当たりながら燃え上がり、それはそれは怖い炎でした。
妻も私もびっくり仰天。なんだか炎に怒られている気分になるくらいの怖い炎でした。
約30分で炎もおさまり、いつもの緩やかな炎になりましたが、本当に気をつけねばならないと思いましたね。そんなわけで皆様も気をつけてくださいね。
針葉樹は、本当によく燃え上がりますね。火力も強く、すぐにストーブは暖まりますが、火持ちが悪く、多くの薪ストーブユーザに敬遠されています。
しかし、森林組合や製材所等で扱っている樹種の多くは、針葉樹です。その間伐材、未利用材が大量に出ているにもかかわらず敬遠されています。私は、この針葉樹を燃料として利用することが、地方の循環社会、地産地消につながるものと考えています。
敬遠されがちな針葉樹ですが、弊社は場面に応じた使い方(針葉樹と広葉樹を混合した投入方法等)を提案して、できるだけ再利用していきたいですね。

今回はもちろん失敗談ですが、恐怖体験でもありました。
他にも失敗談がありますので、順次紹介しますね。
美湖エンジニアリング
代表 神林 寿英

