薪ストーブは、正しく使うことで長く快適に楽しめる暖房器具です。しかし、使い方を誤ると、薪ストーブによる思わぬ事故につながることがあります。

「こんなときどうする」シリーズでは、美湖エンジニアリングが国産薪ストーブの開発を通じて改良・改善の積み重ねを元に、安全に薪ストーブを楽しむためのポイントを紹介します。

【失敗談】

薪ストーブ内は熾火状態になったので薪を追加しようとしたとき、広葉樹が少し大きく入りにくかったので、手ごろな大きさの針葉樹を4本一気に入れたときでした。「ちょっと入れすぎたかな」と思いつつも、あっという間に4本に燃え移り、炎はみるみる大きくなり、薪ストーブの燃焼室内は炎で真っ赤に勢いよく燃え上がり、天板温度も約10分で300℃越え、ガラスに炎が当たりながら燃え上がり、びっくり仰天。約30分で炎もおさまり、いつもの緩やかな炎になりましたが、いやはや針葉樹は燃え尽きるのも早かったですね。もう少し考えて火加減をみながら薪を入れるべきでした。もったいない薪の使い方をしてしまいました。

【原因】

針葉樹もりっぱな薪ですが、燃えやすく火力も強いので、もう少し投入量を考えて薪を入れるべきでした。

【対策】

私は、焚き始め以外の追加薪を入れる場合、場面に応じて薪の入れ方を変えています。

ストーブによって取扱いが異なりますので様々でしょうが、弊社薪ストーブ(鋼板製輻射式)を使用する場合、以下のような目安で薪を追加しています。

通常時(天板温度200℃前後);広葉樹中薪を2~3本

ストーブ周辺を早く暖めたい時;広葉樹中薪2本+針葉樹中薪1本

天板を200℃以上にしたい時;広葉樹細薪1本+針葉樹中薪2本

一気にストーブを暖めたい時;針葉樹中薪3本+針葉樹細薪2本

※40~45cm長さの薪を使用し、細薪は直径約5cm未満、中薪は直径5~8cm

と、いった具合に樹種を混合して薪追加量も変えています。薪ストーブより様々ですので、ご参考にしていただいて、皆さまで最適方法を見つけてくださいね。

 

Q;なぜ、針葉樹は嫌われているの

Ans;

針葉樹は、火持ちが悪いことが最大の欠点で、嫌われる主因です。本当によく燃え上がるし、火力も強く、すぐにストーブは暖まります。しかし、薪を入れる回数も多く、その手間が敬遠されています。一昔前は、「煤が出る、クレオソート(タール、ヤニの一種)を生成しやすい」等言われていましたが、弊社の薪ストーブを含めて最近の薪ストーブは、燃焼効率向上に伴う燃焼温度上昇により、煤やクレオソートによるトラブルはほとんどありません。

森林組合や製材所等で扱っている樹種の多くは、針葉樹です。林業の間伐材、未利用材のほとんどが針葉樹があるにもかかわらず敬遠されています。私は、この針葉樹を燃料として利用することが、地域の循環社会、地産地消につながるものと考えています。

薪燃料として敬遠されがちな針葉樹ですが、弊社は場面に応じた使い方(針葉樹と広葉樹を混合した投入方法等)を提案していきます。できるだけ針葉樹を薪として利用していきたいですね。

 

国産薪ストーブ開発当時から現在に至るまで、私の失敗や経験を元に、「こんなときどうする」を綴っていくシリーズです。「ありゃ!どうしよう」をまとめてみました。

皆さまのお役に立てれば幸いです。これからも順次紹介いたします。

 

美湖エンジニアリング

代表 神林寿英

 

国産薪ストーブの開発・製造に携わり、安全性について数多くの試験・改善を重ねてきました。開発時の経験や失敗から得た知見を元に、薪ストーブをより安全に長く楽しむための情報を発信しています。

 

美湖エンジニアリングは、国産薪ストーブの開発・製造を行なっています。薪ストーブ選びや設置についてもご相談ください。

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