こんにちわ、美湖エンジニアリングの神林です。

今回は、少しお堅い話になるかもしれませんが、近い未来のお話をさせていただきます。

 

日本は、エネルギーの約90%を海外に依存しているため、エネルギー価格変動や国際情勢の影響を受けやすい状況におかれ、さらに国の「2050年カーボンニュートラル宣言」により、ますます少エネルギーに対する取組みが重要視されていますが、その背景には「エネルギー問題・環境問題・家計負担の増加」という住宅レベルにおける対応が社会課題となっています。

そこで、国は「住宅のエネルギー消費を実質ゼロにし、環境負荷を減らしながら快適で健康的な住まいを実現すること」を目的としたZEH(ゼッチ:Net Zero Energy House)を進められています。

弊社は、ZEHによる「最新の省エネ方式」と薪ストーブという「古い暖房方式」に加えて「災害時自立性の向上」を融合させることで、日常の豊かな生活と災害時の自立性の両立について提案いたします。

  1. 一般住宅の背景

環境省のR5年度(2023年度)の世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量・構成比は、1世帯が1年間に排出したCO2は2.47トンで、そのうち電気+灯油を使うことによるCO2排出量が1.97トンと約80%を占めています。

ここで、主要な暖房用エネルギーである電力と灯油のCO2排出量の根拠を示します。

  • 電力の場合

電力消費時CO2排出量(tCO2)=電気使用量(kWh)×電力会社ごとのCO2排出係数(tCO2/kWh)

計算条件

・1世帯あたりの年間平均電力消費量を3,911kWh(環境省R5年度確報版)

・電力のCO2排出係数は、0.000427tCO2/kWh(R5年度各電力会社の調整後排出係数平均値)

1年間のCO2排出量(tCO2)=3,911×0.000427=1.67t CO2となります。

各電力会社のCO2排出係数は、毎年環境省・経済産業省が最新値を公表しています。

  • 灯油の場合

灯油消費時CO2排出量(kgCO2)=灯油消費量(L)×灯油のCO2排出係数(kgCO2/L)

計算条件

・1世帯あたりの年間平均灯油消費量を119L(環境省R5年度確報版)とした場合

・灯油のCO2排出係数は、2.51kgCO2/L

1年間のCO2排出量(kgCO2)=119×2.51=298.69kg CO2となります。

さらに、一般家庭における平均年間エネルギー消費量のうち、暖房は全体の19.5%を占めています。特に寒冷地では30~40%に上ります。

戸建住宅、集合住宅ともに電気機器の割合が高く、電気+灯油の合計は、平均約85%となります。

以上のように日本の住宅レベルのエネルギー事情は、

  • 電力+灯油がCO2排出量の約80%を占めている
  • CO2排出構成比の内、暖房が約20%を占めている
  • 暖房に使用する機器は、電気と灯油を1次エネルギーとする機器が約85%を占めている

以上から、一般家庭の暖房に使用する電気+灯油CO2排出量は、

2.47tCO2/年×0.8×0.2×0.85=0.34tCO2/年となります。

 

  1. ZEHと薪ストーブ

高断熱・高気密住宅での高効率暖房: ZEHは非常に高い断熱性能を持つため、石油ファンヒーターの灯油量やエアコンの電気量の低減となります。薪ストーブも同様に少ない薪量で家全体を効率よく暖め続けることができます。

ここで、薪が電気や灯油と違うところは、脱炭素・環境への貢献というところです。薪を燃やすときに発生するCO2は、樹木が成長過程で吸収したCO2と相殺され、実質ゼロ(カーボンニュートラル)とみなされ、環境にやさしい住宅を目指すZEHの理念と合致します。

前述計算の0.34tCO2/年がカーボンニュートラルの観点から実質ゼロとなります。

弊社の薪ストーブは、輻射熱(ふくしゃねつ)型であるため、室内空間および、身体の芯から暖まることができます。また、エアコンのような乾燥や風を感じにくく、自然素材と組み合わせることで快適な空間を作れます。

 

  1. 災害時の自立性

昨今、話題になっている太陽光発電+蓄電システムは、普段使いと災害時にも備えた自立型発電として有効です。一方、電気を使用しない薪ストーブも同様の扱いと言えます。普段使いはもちろんのこと、万一、冬の停電時でも暖房や調理が可能であり、ご自宅の防災力強化にもつながります。

太陽光発電は、日照時間に左右され、蓄電池の容量にも限りがあります。一方、薪ストーブは、薪さえあれば運転可能なので、災害に強い家(レジリエンス)という側面をさらに強化できます。

導入費用は、太陽光発電+蓄電システムで200~300万円前後に対して、弊社の薪ストーブの場合、120~135万円前後となります

 

  1. 薪ストーブと子どもの情操教育

薪ストーブは単なる暖房器具ではなく、子どもの心を育てる「体験装置」と言っても過言ではありません。薪ストーブはひと手間増えますが、人をリラックスさせる効果があり、薪ストーブの前では、自然と会話が増えたり、読書や遊びが深まったりします。「家族の時間」を大切にしたい、子どもの情操教育の「体験装置」として、以下の効果が言われています。

  • 五感が育つ(炎の色や形、燃える音、木の香り、重さ、手触り等)
  • 自然への理解が深まる(木が育つまでの流れ、薪になるまでの流れ等)
  • 家族のつながりが強まる(火と料理を囲みながら、何気ない会話から絆を深める等)
  • 危険との距離感を学ぶ(火の危険性、道具の使い方等)

デジタル時代だからこそ、こうした「本物体験」が子どもの情操を豊かにするでしょう。

 

  1. 注意すべき点(相性向上・工夫が必要なポイント)
  • ZEHは性能が高すぎる

高出力の薪ストーブを使うと暑くなりすぎることがあります弊社の薪ストーブは、小型〜中型の薪ストーブを取り揃えています。

  • 専用の換気システム(外部空気取り入れ)

高気密住宅は、換気扇を使用すると室内が負圧になって、薪ストーブ内の燃焼排ガス・煙が室内に逆流するリスクがあります。必ず外気直接導入型のストーブを選定し、計画換気システムと連動させる必要があります。

  • 設計上の配慮

煙突の位置や薪の保管場所等、建築段階で計画的な設計が求められます。弊社がお手伝いいたします。

  • 薪の確保とメンテナンス

薪ストーブは、薪の調達、煙突掃除など、定期的な手間がかかります。弊社がサポートいたします。

 

  1. まとめ

以上のように、暖房機器は気候の違いや住宅の建て方等に違いがあっても、多くはエアコンや石油ファンヒーターです。弊社は、「暖房」エネルギーの電気・灯油から薪に燃料転換することで、各家庭の「高断熱・省エネ」性能をベースに「カーボンニュートラル」を実現し、「単なる暖房」から「環境と人に優しいワンランク上の快適な生活暖房」と「災害時自立性」の実現をお手伝いいたします。

 

弊社は、これからも少エネルギーに関わる提案、災害時自立性に関わる提案をいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。

美湖エンジニアリング

代表 神林 寿英