基本構造が大きく異なります
薪ストーブと暖炉は、一見すると似ているように見えますが、実は基本構造が大きく異なります。
どちらも「薪を燃やして暖をとる」という点では共通していますが、暖かさの届き方や燃焼効率、安全性などに違いがあります。初心者の方でも分かりやすく、その特徴を見ていきましょう。
燃焼効率の違い
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燃焼室の構造と燃焼効率の違い
「密閉型と開放型で燃焼効率に差が出ます」
薪ストーブの最大の特徴は、燃焼室が密閉されていることです。密閉された燃焼室は、専用の空気取入口から必要な量の空気を取り込み、一次空気~三次空気として段階的に供給することで、薪を効率よく完全燃焼させます。この燃焼方式は「クリーンバーン方式」と呼ばれ、煙や煤の排出量を抑えながら、燃焼効率は一般的に75~82%に達します。
一方、暖炉は燃焼室が密閉されていない開放型です。燃焼用の空気は、室内の暖められた空気を前面開口部から大量に取り入れて燃焼させます。一次空気のみで燃焼するため、不完全燃焼が発生しやすく、燃焼効率は30~40%程度といわれています。そのため、暖炉は薪の消費量が多くなりがちです。
暖かさの体感の違い
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体の深部まで届く!暖かさの体感の違い
「遠赤外線で体の芯までじんわり暖まる薪ストーブ」
薪ストーブは、燃焼室の高温で生まれる遠赤外線の輻射熱が体の深部まで届き、じんわりと暖まります。冬の寒い朝や帰宅後でも、体の芯から暖かさを感じられるのが特徴です。
暖炉は空気だけを暖める方式のため、部屋全体の温度が上がるまでに時間がかかることがあります。部分的に暖かくなることはありますが、薪ストーブのように体の芯までじんわり温まる感覚は得にくいのが現実です。
空気の清潔の違い
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室内の空気が清潔
「煙や煤が逆流しない安心構造」
薪ストーブでは、燃焼によって発生する排ガスを煙突から効率よく屋外に排出します。この仕組みのおかげで、室内の空気が逆流することはなく、煙や煤が部屋に広がる心配もありません。また、煙突から排出されることで室内の気圧が下がり、外気が自然に流れ込む「空気の一方通行」の仕組みも生まれます。
暖炉は開放型の燃焼のため、室内の空気を大量に燃焼に使い、暖房効率が下がるだけでなく、部屋の空気が逃げやすくなる場合があります。
薪の消費量の違い
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薪の効率とランニングコスト
「少ない薪で効率よく暖まる」
燃焼効率の差は、薪の消費量にも直結します。薪ストーブは少ない薪で効率よく暖まるため、燃料費を抑えながら快適に過ごせます。暖炉は燃焼効率が低いため、同じ暖かさを得るにはより多くの薪が必要です。
薪ストーブだけでひと冬を越す場合、ランニングコストは薪の量や電気料金、灯油価格を見ながら「ハイブリッドな暖の取り方」を検討するのも一つの方法です。ただし薪ストーブは単なる暖房器具ではなく、火のぬくもりや炎の美しさ、料理や団らんといった楽しみも提供します。
補足: 美湖エンジニアリングでは、薪の効率的な使い方や乾燥薪の選び方についてもアドバイスしています。
安全性の違い
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安全性の違い
「密閉型で安定した燃焼、安心して使える」
薪ストーブは密閉型のため、燃焼が安定し、煙や火の粉が室内に広がるリスクが低く安全性が高いのも特徴です。
暖炉は開放型であるため、炎や火の粉に注意しながら使う必要があります。初心者が安心して使うためには、設置方法や周囲の安全対策をプロに相談することをおすすめします。
美湖の特徴
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美湖エンジニアリング
ならではの特長
「暮らしに溶け込むデザインと機能」
・鋼板製の燃焼室:暖まりやすく冷めやすいので、室温調整がしやすい
・クリーンバーン方式:煙や煤の排出を抑え、完全燃焼で効率よく暖める設計
・遠赤外線の暖かさ:遠赤外線の輻射熱で体の芯までじんわり暖まる設計
・デザイン性と機能性:リビングに自然に溶け込み、料理や団らんの場にも活躍