こんにちわ、美湖エンジニアリングの神林です。

平素より、美湖エンジニアリングのホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

薪ストーブの燃料は、ほとんど灰になります。今回はその「灰」についてお話しします。

 

あるお客様から薪の燃焼後の残留物(灰、炭等)の質量とその成分分析の依頼がありました。私もこれらの数値に興味があり、お客様のご協力を得ながら、これらの分析を実施しました。

薪ストーブの灰等は、一般ごみ等として廃棄したり畑に撒いたりしますが、「これらの灰は、自然由来だから問題ない」ということをお客様にお伝えしていましたが、「数値ではどうなのか」が私自身もあいまいだったので、今回の分析はそれを科学的に証明できる一つの機会と捉え、ご依頼に応じました。

お客様がご使用したい薪は、滋賀県伊吹山山系のアカマツでそれらを持ち込んでもらい、弊社店舗内の薪ストーブ(すみれ)を使用して、①薪の重量、②燃焼残留物の重量、③燃焼残留物の採取を実施し、①と②は秤量計で計測しました。

クリーニング後の燃焼室内          薪材料の焚き付け準備     

 

薪ストーブは、燃焼前に薪ストーブの内部部品を全て取外してクリーニングを実施し、今までの燃焼灰の影響を受けない状況を作ってから質量計測しました。

燃焼中                   燃焼後残留物

 

灰トレイ上に集めた燃焼後残留物       計量(22g)

 

その結果は、

燃焼前の薪重量;2200g

燃焼後の残留物重量;22g

残留物の重量値の結果は、少し意外でした。もう少し重量があるものと考えていましたが、重量比が1/10まで縮小していました。アカマツは針葉樹で完全燃焼しやすい樹種であることがわかりました。

 

残留物は、環境測定分析業者に成分分析をしていただき、結果は以下のとおりでした。

                                 【単位;mg/L】

 

分析項目

分析結果

規制基準値

1

アルキル水銀化合物

不検出

検出されないこと

2

水銀又はその他水銀化合物

<0.0005

0.005以下

3

カドミウム又はその化合物

<0.005

0.09以下

4

鉛又はその化合物

<0.01

0.3以下

5

六価クロム化合物

<0.05

1.5以下

6

ヒ素又はその化合物

0.07

0.3以下

7

セレン又はその化合物

0.01

0.3以下

以上の7測定項目は、産業廃棄物にかかる判定基準を定める省令における基準値未満(JIS K0102(2016)、昭和48年環境庁告示第13号)であることがわかりました。今回の薪は、アカマツでしたが、樹種、産地問わず同様の値になると考えています。

ただし、人工的な材料を施した材料(例えば、ベニヤ板、防腐処理、塗装の塗布、クロス張り、接着剤付着等)は除きます。

今回の分析結果から、自然由来の薪は、数値的にあいまいなところがはっきりしたことと、今までの灰の取扱説明に加えることもできるようになり、新たな知見を得られたと考えています。

美湖エンジニアリングは、今後も機会があればこのような科学的な計測・分析にも取り組んでいこうと考えています。

美湖エンジニアリング

代表 神林 寿英